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高知県高知市における洪水対策:初月排水分区1号補完ポンプ施設

高知県高知市

下水事業

地下設置形

公開日:2024.04.02

初月排水分区1号補完ポンプ施設 概要

場  所:高知県高知市南万々地内
排水地区:初月排水分区
排水能力:0.67㎥/s
供用開始:令和2年7月

歴史に刻まれる洪水とその影響

 高知市は、年間降水量が3,000mmを超す年もある日本有数の降水量が多い都市です。過去の台風や豪雨によって甚大な浸水被害が発生したことから、河川改修に併せて、ポンプ場の新設や排水ポンプの増強を進めてきました。しかしながら、平成26年8月豪雨により1時間に100㎜超の豪雨があり、広範囲で浸水被害が発生したことから、県と市で連携して浸水対策を進めています。

初月排水分区での対応

 当排水分区では初月ポンプ場のみで雨水を排水していましたが、平成26年8月豪雨を受けて、県が進める河川事業(護岸改修、河床掘削など)に併せて、計2台の補完ポンプを整備することとし、令和2年度には1号機、令和3年度には2号機の供用を開始しています。

補完ポンプの特徴

 補完ポンプの設置にあたっては、水路などの既存ストックを最大限活用し、早期に効果を発揮できるよう、設置位置や形式を検討した結果、当排水分区の上流域で、雨水幹線へ流入しきれなくなった際の既存水路の雨水を、直接、放流先の河川へ強制排水できる位置に設置することとしました。そのため、ポンプ施設の設置ヤードが非常に狭く、1号機は道路下にポンプ井を設ける構造としています。また、流入水路の幅が狭く、ポンプ稼働時には短時間で停止するなど、ポンプに悪影響を及ぼす恐れがあったことから、全速全水位運転が可能なフラッドバスターを採用し、水位変動を気にすることなくポンプの運転が可能となりました。

未来への期待

 今後、降雨量の増加が想定されるなか、既存ポンプ場の能力増強も簡単ではなく、上流域の既存水路から、早期に雨水を河川に放流する補完ポンプは、今後も増加していくと見込んでいます。その際、大きな土木躯体が建設できない箇所や、流入水路が狭く、水位変動が大きい箇所など、厳しい条件下でも設置可能なポンプ形式であり、今後の利用形態の拡がりも期待できると考えています。

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