株式会社 石垣

お知らせ

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下水汚泥由来繊維利活用システム「プラチナシステム®」初受注

 株式会社石垣は、このほど、日本下水道事業団様から熊本市南部浄化センター向けに下水汚泥由来繊維利活用システム「プラチナシステム」の設備工事を受注しました。「プラチナシステム」の受注は初めてです。

 「プラチナシステム」は、下水処理施設において発生する下水汚泥を汚泥脱水機で脱水する際に使用するシステムです。下水処理施設に流入する下水から、トイレットペーパーの残滓を主成分とする繊維状物(下水汚泥由来繊維)を選択的に回収し、脱水前の汚泥に「助剤」として投入します。助剤を適切に投入することで、汚泥脱水機の能力は大幅に向上し、薬剤の注入量や脱水後の固形状物(脱水ケーキ)の量を削減できます。「プラチナシステム」は、下水から助剤を作り出し、汚泥処理の効率化を実現する革新的な技術です。

「プラチナシステム」回収ユニット

「プラチナシステム」回収ユニット

● 受注内容

工事名

熊本市南部浄化センター汚泥処理設備工事

契約日

2019年9月26日

工期

2019年9月27日から2021年2月15日まで

契約金額

227,500,000円(税抜)

 

●「プラチナシステム®」について

 下水汚泥由来繊維利活用システム「プラチナシステム」は、下水処理施設の流入下水から脱水効率の向上に有効な繊維状物を選択的に回収して、利用する方法を確立した独創的で革新的な技術です。

「回収ユニット」で回収した繊維状物を汚泥に「助剤」として添加し、汚泥脱水機に供給することで脱水能力を向上させます。助剤となるのは、下水処理施設の最初沈殿池から引き抜かれた汚泥に含まれる繊維状物で、主にトイレットペーパーの残滓です。

汚泥脱水では、一般的に凝集剤などの薬品を注入後、汚泥脱水機を利用して固形状の脱水ケーキにしますが、汚泥が難脱水性の場合は、助剤を添加して脱水しやすく調整することがあります。「プラチナシステム」では、購入した助剤を使用するのではなく、処理場の流入下水から回収した繊維状物を利用します。

繊維状物を添加した汚泥は、脱水性が向上し脱水ケーキの量を低減できるほか、凝集剤の使用率を低減できるため、コスト縮減に繋がります。さらに、下水汚泥由来繊維を加えた低含水率の脱水ケーキは焼却処分時に燃えやすいため、燃料の削減や省エネルギーにも繋がり、温暖化ガス発生の抑制に寄与します。焼却時の燃料にバイオガス(下水処理施設内の消化ガス)を用いている場合は、燃料を削減した分を発電などの有効利用に転換することも可能になり、創エネルギーへの展開を可能するなど、多くのメリットがあります。

本技術は、2017年に日本下水道事業団様と共同開発を行い、新技術Ⅰ類として選定されました。今回の初受注を機に、下水道事業の基盤を支える技術として全国の下水処理施設に販売と普及を拡大する計画です。

「プラチナシステム」について(下水道事業団様記者発表資料):https://www.jswa.go.jp/kisya/h29pdf/290405kisya.pdf#page=3

助剤の外観

助剤の外観

 

導入概念図

導入概念図