坂出市に第四工場を建設
当社は、2025年9月1日より香川県坂出市にて第四工場建設を着工し、9月8日に地鎮祭を執り行いました。新工場は、環境配慮・生産性向上・地域貢献を融合したグリーントランスフォーメーション(GX)への取り組みの一環で、2026年12年の完成、2027年1月から稼働を予定しています。これにより、当社の主力製品である下水汚泥脱水機「ISGK型 圧入式スクリュープレス」の生産能力は2倍となる見通しです。
● 背景と目的
1958年に坂出市内で創業した当社は、水処理機器の製造を通じて水インフラと産業を支えてきました。国内唯一の生産拠点である坂出工場では、1967年に第一工場を竣工して以降、2020年9月に改修・設備投資を行った第二工場、2020年1月に落成した第三工場を整備してきました。第四工場は、環境負荷の低減と地域経済への貢献を両立する次世代型の生産拠点として位置づけられています。国内では上下水道事業の広域化や設備の老朽化による更新需要、海外では露天掘りの鉱山における大型脱水設備の需要が高まっており、水処理分野における高度化・多様化するニーズに対応するための設備強化です。
本事業は、香川県の「地域経済牽引事業計画」において、世界初の技術である下水汚泥由来繊維利活用システム「プラチナシステム」の先進性と環境配慮が評価され、事業計画として承認を受けました。今後、税制優遇制度の活用を予定しています。
● 第四工場の概要
第四工場は、塗装エリアと組立エリアの2つのエリアを整備します。主に当社の主力製品である下水汚泥用スクリュープレス脱水機を製造するほか、併せて使用される下水汚泥由来繊維利活用システム「プラチナシステム」も製造します。下水汚泥用スクリュープレス脱水機の生産能力は2倍となる見込みです。また、塗装工程はエリア拡張と冬場の乾燥時間を半分にできる加温設備を導入することで生産能力が1.3倍となります。
所 在 地 |
:香川県坂出市江尻町字本条新田1番85(既存工場の南側) |
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土 地 |
:83,166.93㎡ |
着 工 |
:2025年9月1日 |
建築面積 |
:3,920㎡ |
竣 工 |
:2026年12月31日 |
延床面積 |
:3,876㎡ |
稼働開始 |
:2027年1月4日 |
構 造 |
:鉄骨造 地上1階(一部2階) |
高 さ |
:18m |
投 資 額 |
:約23億円 ※建物・設備含む |
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工 場 長 |
:三野 広幸 |
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第四工場建設イメージ
● 導入設備とGXの取り組み
- 塗装ブース×4台(うち3台は加温設備付き)
- 研磨ブース×1台
- 電動クレーン(40t×1台、20t×1台、10t×1台、5t×2台)
- ⼯場内空調設備(全館対応)
- 太陽光発電設備(137㎾)
塗装ブースの加温設備により、冬季の塗装工程のリードタイムを短縮し、生産能力は1.15倍になります。空調設備の導入により、作業環境の改善と夏季の熱中症対策が実施できます。これらの設備は、太陽光発電設備による再生可能エネルギーの電力供給で、カーボンニュートラルの実現に貢献します。
● 製品群と技術力
第四工場では、主力製品である下水汚泥用スクリュープレス脱水機に加え、下水汚泥由来繊維利活用システム「プラチナシステム」、フィルタープレス脱水機を製造します。
「プラチナシステム」は、汚泥中の繊維状物(家庭排水に含まれるトイレットペーパー)を脱水助材として活用し、含水率を制御することで、処分量や焼却時の燃料の削減を可能にする省エネ・脱炭素化技術です。環境負荷を低減する革新的な環境技術として、国内外での展開が期待されています。
・「プラチナシステム」について:https://www.ishigaki.co.jp/info/2019/1003130016/3166/
・下水汚泥脱水機「ISGK型 圧入式スクリュープレス」について:https://prtimes.jp/story/detail/oro8R0c8yRb
● 今後の展望
第四工場は、地域経済牽引事業として香川県からの助成措置を受けており、地域経済への波及効果が期待されています。生産能力の向上により、受注拡大と雇用創出を図るとともに、若手社員の採用に向けた働きやすい環境整備を継続してまいります。
工場長 三野広幸のコメント
「今回建設する第四工場では、当社の主力製品である下水汚泥用スクリュープレス脱水機の組立と、加温機能を備えた塗装ブースによる塗装工程の効率化を図ります。また、工場全体に空調設備を導入し、太陽光パネルによる再生可能エネルギーで電力をまかなうことで、環境負荷の低減にも積極的に取り組みます。これらの設備改善は、若手人材の採用促進にもつながる、働きやすい職場環境の整備につながります。今後も、地域社会に根ざした企業として、持続可能なものづくりを通じて、技術革新と雇用を創出し地域経済に貢献してまいります。」
当社は、GXを事業活動に取り入れながら、環境・社会・経済の持続可能な発展に貢献する企業として、技術革新と地域連携を推進してまいります。